できるなら、母乳で育てたい・・・!
妊娠中、多くのママはそう願っているのではないでしょうか。
でも、実際に母乳で育てている方はどれくらいいるでしょう。生後4ヶ月での母乳育児率はなんと40%。
半数以上の方は混合、もしくはミルクとなっています。

ですが、考えてみれば私達は哺乳類。
母乳で育てるのはとても自然なことです。母乳育児を行うには、難しく捉えずに、ただ毎日おっぱいを吸わせるだけでその確率は格段に上がるはずです。
最初から、溢れるほどの母乳が出ることは稀。
お腹の中で指しゃぶりをしながら、練習をつんだ赤ちゃんにとっても、実践は初めてなのですからうまく吸えなくて当たり前です。
母乳育児は、ママと赤ちゃんが一緒にトレーニングを重ねて、次第に上手になっていくものだと思います。
乳首の痛み、おっぱいがうまく出てくれないこと、赤ちゃんがうまく乳首を含めない事へのストレス。
これらを乗り越えて初めて母乳育児が安定したと言えるのかもしれません。

こちらは、母乳育児の方法について書かれたページですが、完全母乳を勧めるものではありません。
母乳は優れた栄養源ではありますが、徹底した完全母乳の場合、時に赤ちゃんの低栄養や、重篤な低血糖を招く恐れがあります。
母乳の分泌が足りない間は、ミルクを上手に使い、赤ちゃんの栄養状態に注意しましょう。



母乳育児のメリット・デメリット


母乳育児にはメリットがいっぱいです。
そんな母乳育児のメリットとデメリットをまとめました。
【メリット】
・おっぱいを出せばすぐに授乳が出来るという簡便性。
・費用がかからず、経済的。
・赤ちゃんの吸啜により、オキシトシンが分泌。母性愛を高めます。
・初乳を含め、母乳には赤ちゃんの免疫力を高める力があります。
・乳がん・子宮・卵巣ガンの発生率を低下させます。
・乳幼児突然死症候群(SIDS)の発生率を低下させます。
・ママ・赤ちゃんともに情緒の安定に繋がります。
・産後の母体の回復を早めてくれます。
・栄養バランスがよく、赤ちゃんの胃腸に適しているため、負担になりません。



【デメリット】
・赤ちゃんの吸啜により、乳首への負担があり、痛みを伴うことがあります。
・母乳分泌の程度が目に見えて分からないため、母乳不足になる可能性があります。
・母乳分泌の程度が目に見えて分からないため、母乳不足を心配して不安になる恐れがあります。
・ミルクよりも授乳間隔が短くなることがあります。
・生まれてまもない時期は重症黄疸・低血糖のリスクがあります。(完全母乳による深刻な栄養不足があった場合)
・おっぱいへの執着が高まると、夜間におっぱいを求めて泣く原因に繋がる恐れがあります。
・おっぱいへの執着が高まると、卒乳が大変に感じる事があります。



おっぱいマッサージのやり方


おっぱいの出方をよくするために、妊娠中からできることがあります。
ただし、科学的根拠があるとは言えません。あくまで経験則として捉えます。
早産リスクのある方や、お腹の張りやすい方は、妊娠中のおっぱいマッサージはオススメできません。
問題なく経過している場合でも、おっぱいへの刺激は、子宮収縮を促します。
おっぱいマッサージは28週を超えてからにしましょう。ですが、おっぱいマッサージをしてお腹が張るような場合はマッサージは止めましょう。
早産に繋がる危険性があります。
37週を越えてからであれば、安心してマッサージを行えます。
かかりつけの産婦人科で、助産師さんによる指導がされる場合がありますので、相談してみましょう。

【基本的なおっぱいマッサージのやり方】
おっぱいマッサージには乳房マッサージと乳頭マッサージの2種類があります
乳房マッサージは乳房の基底部をよく動かし、分泌を促すためのマッサージです。
入浴中に湯船の中で行うと、血行がよくなり効果的です。

《乳房マッサージの方法》
SMC自己管理法


右手の手の平と指で、バスケットボールをつかむように指を広げておっぱいを持ち、左手の手の親指を脇の下よりややおっぱいよりに当て、右側に向かって横に押します。
※痛い時はもっと外側から。



右手の位置を少し下方にずらし、小指側をおっぱいの周辺部にあてます。左手は右手の上にあて、力を入れる点(図)に注意しながら、右の肩に向かって押すようにします。
※おっぱいを潰すのではなく、動かす感じで。



右手の手のひらの小指側を、おっぱいの下に当てます。左手はその上にそえるように置いておっぱいを真上にすくい上げるようにします。
※右の手のひらは水平をキープします。

《乳頭・乳輪マッサージのやり方》
乳頭部は刺激に弱く、赤ちゃんの吸引に負けて傷ができたり、痛くなってしまうことがあります。
乳頭マッサージの目的は、皮膚の鍛錬と、乳頭を柔らかくすること。
正期産前のマッサージで、お腹に張りを感じるようであればマッサージは中止してください。

《最初はオイルパックから》
乳頭・乳輪部のマッサージをする前に、オイルパックをして、母乳の出口に詰まった老廃物を取り除きましょう。
入浴前に行うのがベストです。
①コットンにオリーブオイル・馬油・アーモンドオイル等をたっぷりと沁み込ませる。
②乳頭・乳輪部分全部が隠れるようにパックし、上からコットンよりも大きめのラップをする。
③15分放置。
④お風呂で洗い流す。

そのままお風呂で乳頭・乳輪マッサージも実施すると効果的です。

最初は軽く、圧迫する程度から始めます。
痛みを感じない程度に3~10秒圧迫するだけでOKです。
続いて図のように、乳輪部・乳頭部をそれぞれつまんで左右に軽く捻ります。
数回実施後、今度は、乳輪部・乳頭部をそれぞれ前後に引っ張ります。
こちらも痛みがない程度に留めます。
一回のマッサージ時間は5分程度で十分です。

《おっぱいマッサージ用おすすめオイル》



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いずれも肌に優しく、妊娠中の過敏な肌にも安心して使えます。(全ての方にスキントラブルが起こらないとは限りません)
また、どれも産後にも活躍するものを選びました。
妊娠中だけの使用となると、残りが出るのでもったいない。
上記商品であれば、赤ちゃんが舐めても安心なものばかりです。
左のランシノー(紫色のもの)は、羊の油。赤ちゃんの吸引力に耐え切れずに出来てしまった傷の痛みを和らげる効果があります。
いずれも、赤ちゃんの肌にも使えますので、おっぱいのケアだけではなく、オムツかぶれしたお尻にも、ベビーマッサージ・保湿剤としてなど幅広い用途があります。

母乳育児、はじめの一歩



母乳育児は、最初が肝心とよく言います。
生まれてすぐのカンガルーケアが母乳の分泌を手伝う、産後すぐにおっぱいをあげられる産院選びが大切、ミルクや糖水をほ乳瓶であげてしまうと、赤ちゃんはママの乳首からおっぱいを飲めなくなる・・・などなど、いかに生まれてすぐのケアが大切かという事が多くの書籍や、サイトなどに書かれています。
確かに、最初は大切です。
赤ちゃんの個性もありますが、入院中に母乳が出ないからと、ミルクを与えていては、ミルクの味と、ほ乳瓶に慣れてなかなかおっぱいに吸い付けない場合もあるでしょう。
ですが、全ての場合がこの限りではありません。
母乳分泌は一般的に生後3~4日程度は分泌量は少ないと言われています。
その後、少しずつ増えていく母乳ですが、赤ちゃんの欲する量に対して、安定した分泌となるにはまだ時間がかかります。
赤ちゃん自身も、おっぱいに吸い付くのははじめての経験。
最初からうまく出来る子もいれば、十分な練習が必要な場合があります。
母乳の生成が過剰であったり、不足したりと約1か月間は不安定な時期である事が多いです。
『最初が肝心要だから』と、必要以上に焦ることは、母子ともにストレスになる恐れがあります。
母乳育児を続けるためには、最初から完璧を求めずゆったりとした気持ちで取り組むことが大切です。

【出なくても吸わせるだけでいい】
赤ちゃんも、ママのおっぱい、乳首の形に慣れる必要があります。
またママの体は、赤ちゃんの吸引刺激によって母乳の分泌が促されます。
相互のためにも、まずは出なくてもいいので赤ちゃんにおっぱいを吸わせます。
その際、うまく口に含めず、すぐに吐き出してしまうこともあるかと思います。
それでも構いません。舐めるだけでもいいのです。
赤ちゃんが泣いたら、オムツのチェック、そしておっぱいを含ませる―。
これを繰り返していきます。

【どんな姿勢で飲ませるか】
基本は横抱きです↓
赤ちゃんが小さい時には、バスタオルを折りたたんだものや、枕、授乳クッションなどを用いて、赤ちゃんの口が乳首に対して、平行に咥えられるようにします。
この際、赤ちゃんの口の中に乳輪部分まで深く入るようにします。
赤ちゃんの口を開かせるためには、『あーん』と声を掛けながら、人差し指か乳頭で赤ちゃんの口角をつんつんと刺激します。
赤ちゃんが口を大きく開けたところで、焦らずに赤ちゃんを引き寄せ、口の中に深くおっぱいを含ませます。
おっぱいが入りにくい場合は、咥えさせるおっぱいと反対の手で、軽く乳輪の下部分を摘み、入りやすい形にして含ませます。
おっぱいを咥えた赤ちゃんの口がアヒル口になっていればOKです。

抱き方にはこのほかにも縦抱きや、フットボール抱きなど様々な抱き方があります。
決まった抱き方はありません。
赤ちゃんにとっても、ママにとっても一番楽なスタイルを探してみましょう。


【最初は乳首を傷めやすい】
どんなにマニュアル通りにやろうとしていても、最初から完璧にうまく行くというのはなかなか難しいものです。
乳首を深く咥えさせることで、乳首は傷つきにくく、痛みを伴いにくいと言いますが、慣れない間はなかなか難しく、多くの場合授乳に困難が伴うほど傷みを伴ったり、傷を作ってしまうことがあります。
そんな時に無理に直接母乳(乳首から直接おっぱいを飲ませること。以下直母と略します)とすると、傷が悪化したり、直母がストレスに感じてしまったりと負担が大きくなっていまいます。
個人的には数日お休みして、乳首の回復を待ってから再度授乳を再開するのがよいと思いますが、母乳育児のマニュアルでは多くの場合、直母を継続することを推奨しています。
理由としては、乳頭保護器や搾乳機を使用しておっぱいを飲ませていると、どんどん直母から離れてしまうことを懸念してのこと。また直接乳首に刺激が加わらないことでの母乳分泌不足の可能性の指摘があります。
それが心配な場合には、乳首を氷でよく冷やし、麻痺した状態にしてからおっぱいを含ませると痛みを感じにくいと言われています。
またゴマ油を切れた乳首に塗布すると痛みが楽になるようです。
赤ちゃんが口にしてもいいようなオイル類(ランシノー・バー油・オリーブ油・ゴマ油など)を塗布し、ケアしながらの授乳を続け、どうしても辛い場合には無理をせずにお休みさせる時間を作ってはいかがでしょうか。
私の場合は、1日8回の授乳のうち、4回は乳頭保護器を使うか、搾乳したのを哺乳瓶で与え、残りの4回は直母にするなどして、痛い時期は乗り越えてきました。
自然と乳首も鍛錬され、3ヶ月が経過する頃には、痛みがなく授乳できるようになりました。
最初の試練は、痛みとの戦いになることが多いです。
自分なりのやり方を見つけ、乗り越えていきましょう。

《おすすめの乳頭保護器・哺乳瓶》

直母を目指すものの、乳首に傷が出来たりなどで難しい場合におすすめなのが、こちらの『母乳相談室』(左)という名の哺乳瓶。哺乳瓶の乳首に慣れて、ママのおっぱいに吸い付かなくなってしまうというリスクを減らす『桶谷式直接授乳訓練用』の製品です。
通常、楽々とミルクが出てくる哺乳瓶とは異なり、穴が小さいため、母乳同様、ある程度赤ちゃんの吸引力が必要になります。
一時的にミルク、または搾乳でも、将来的には直母に移行したいという方におすすめです。
メデラの乳頭保護器(右)は上部分がカッティングされ、おっぱいに吸い付いた時に、赤ちゃんの鼻先が、保護器ではなく直接ママの肌に当たる設計となっています。
水をつけて、横に引っ張りながら当てると、フィット感が高まります。

【母乳が出ない】
私達人間は哺乳類です。
基本的には、出産を経験すれば自然と母乳分泌が始まります。
しかし、稀に、母乳が作られないという方もいます。
ですが、母乳分泌がうまく行かない多くの場合は、他の要因であることが多いです。
乳首の痛みがあって、長く母乳をお休みするのも母乳分泌が減る原因になります。
それ以外には、やはりストレスや、産後の心身の疲れにより母乳分泌が減る場合があります。
体も心もゆったりと休ませ、しっかりと食事を摂り、笑顔で過ごす事もまた母乳育児には大切なようです。
産後、万が一おっぱいの分泌が悪い場合には、母乳外来や、各市町村の助産師さんの相談日などを利用し、一人で抱え込まないようにしましょう。



【3時間間隔にこだわらない】
産院では多くの場合、赤ちゃんには3時間おきにおっぱいを与えましょう、という説明がなされます。
とはいえ、泣く度におっぱいであれば、3時間も開く事はないかもしれません。
また、夜間ぐっすり眠ってくれる子であれば、夜中にわざわざ赤ちゃんを起こしてまでおっぱいを飲ませる必要はあるのでしょうか。
桶谷式では、母乳分泌を安定させるために夜中も3時間とあけずに母乳を飲ませることを勧めています。
ですが、反対に満足して寝ている赤ちゃんを起こしてまで飲ませる事に疑問を訴える声もまたあります。
赤ちゃんの眠りは浅く、深い眠りの時間は大人よりもずっと短いのです。
授乳のために起こしたはいいけど、今度はなかなか寝てくれない、という事にもなりかねません。
個人的には、日中・夜間に限らず赤ちゃんがおっぱいが欲しいというサインを出した時におっぱいをあげるようにし、3時間間隔にはこだわりませんでした。
それでも、自然と3~5時間の間隔で、授乳サインがあり、授乳をしていました。
生後3ヶ月頃からは、夜間はまとめて寝てくれる子も多くなり、夜間授乳に関しては6時間ほど空く場合もあります。
いずれにしても個人差が大きいですので、その子のあった授乳間隔をママが見つけていく必要があります。



【おっぱいが欲しいサインは『泣く』だけじゃない】
よく、赤ちゃんが泣いたらおっぱいをあげましょう、という指導を耳にします。
ですが、赤ちゃんがおっぱいを欲しがって泣くというのは、最終手段。
本当はその前からおっぱいが欲しいよ、というサインを出しています。
それはなんと眠っている時でも。
手足をもぞもぞさせたり、手で顔をこすったり。
手近なものを口に入れるようなサインがあれば、それはおっぱいが欲しいサイン。
慣れないうちは、そのサインに気がつきにくいかもしれませんが、赤ちゃんと過ごす時間が長くなり、そのサインに意識をきちんと向けていれば自然とそのサインがつかめるようになると思います。

添い乳の方法


添い乳をするかしないか―。
それについては方針を決める必要があると思います。
私自身は添い乳を寝かしつけに活用しています。寒い夜であれば布団の中でできるし、慣れてしまえば寝ながらおっぱいをあげられる楽な方法です。
ですが、添い乳にはデメリットもある事を理解した上でするかしないかを検討していただきたいと思います。
《添い乳のデメリット》

・窒息死のリスクがある。
特に寝返りができない時期は、お母さんが寝入ってしまうと危険です。
実際に沿い乳による窒息事故の報告事例があります。

・中耳炎になるリスクがある。
寝ながらおっぱいを飲むことで、また仰向けに近い形で飲むと、中耳炎に罹る恐れがあります。耳管におっぱいが流れこむことで起きると言われています。

・乳腺炎になるリスクがある。
赤ちゃんの吸い方にもよりますが、咥え方が浅くなり、一部分からしか母乳が吸われないという可能性があります。それにより、母乳の停滞を招き乳腺炎を起こす可能性があります。

・添い乳でしか眠れなくなる恐れがある。
赤ちゃんは寝入った時と同じ状態がキープされることで安心感を得る傾向があります。
寝入る時におっぱいを咥えたままだと、ふと目が覚めた時におっぱいを咥えていないと不安になって起きてしまうことがあります。
赤ちゃん、ママ双方の眠りが浅くなる可能性があります。

・長時間の添い乳姿勢による体の痛みを起こす恐れがある。
添い乳は、意外と腰や腕に負担がかかります。楽な姿勢を探し、次第に添い乳姿勢が大変と感じなくなるとは思いますが、慣れない間は意外と大変です。
また慣れた後でも、添い乳時間が長時間に及ぶとやはり大変です。

上記のようなデメリットが起こるのは必ず、ではありません。ですが可能性があるということは理解しておく必要があるかと思います。
赤ちゃんのおっぱいに執着する気持ちも、千差万別です。我が家では生後4ヶ月から添い乳を導入しています。
確かに眠りが浅い傾向があり、泣き出すこともありました。
ですが、それは添い乳を始める前から同様であり、添い乳による弊害という実感がなく、また度々起きる息子に対して、体を起こして授乳するよりは私自身がずっと楽でしたので
1歳2ヶ月になる夜間やお昼寝のときにはずっと添い乳を続けています。
添い乳をするかどうかは、赤ちゃんのおっぱいの飲み方、夜の眠り方などをよく見て検討してほしいと思います。

《添い乳の姿勢》
基本的な姿勢はこちらです。

ママの背中にクッションがあると楽です。
また赤ちゃんのお尻の辺りを支えますが、ママと同様にクッションまたはタオルなどを挟み込むと安定します。
寝返りが出来ない赤ちゃんの場合、支えにしていたクッション等で窒息しないように、なるべくはママの手で支えてあげると安心です。
添い乳の姿勢は赤ちゃんの時期に応じて、腕枕をしたり、支える場所を変えたりしながら、ママにも赤ちゃんにも無理のない姿勢を探してみましょう。



母乳不足と感じたら



赤ちゃんが母乳をちゃんと飲めているかどうか不安に感じる時もあるかもしれません。
哺乳瓶で飲ませる場合と違い、飲んでいる量が目に見えて分かるわけではないので、よけいに不安に感じるのかもしれません。
ですが、赤ちゃんがしっかりとおっぱいを飲んでいるかどうかにはいくつかの判断材料があります。

《おっぱいが出ているかどうかの判断材料》

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これらが、母乳が順調に出ているという目安になります。
催乳感覚や、空腹感・喉が渇く感じというのは、全ての方にある感覚ではないので、ないと母乳が出ていないということではないですが、この感覚を感じる場合には、おっぱいは順調に出ている事が多いです。

乳首のトラブルと対処法



母乳育児では、初めておっぱいをあげた時、赤ちゃんの遊び飲みがはじまった時、歯が生えてきた時などに乳首にトラブルを起こしやすいと言われています。
《裂傷》
おっぱいに傷ができることです。
乳輪まで深く赤ちゃんに咥えさせていないと、刺激が乳首にかかり傷を作りやすくなります。
また、飲ませる時の姿勢を工夫するのも、傷を作らないポイントです。
傷を作ってすぐの直接授乳はかなり痛みを伴います。
乳首をよく冷やして与えるか、1日のうちの数回を乳頭保護器を使って与えるか、搾乳して哺乳瓶であげることも傷の負担を減らします。
乳首にはピアバーユランシノーピュアレーンなどを塗布します。
これらは塗ったまま拭き取らずに赤ちゃんが口に含んでも問題ないですが、病院で軟膏などを処方してもらった場合には、赤ちゃんにおっぱいを飲ませる前に清浄綿等で拭き取ります。



《白斑(乳口炎)》
乳頭に白ニキビのようなものができます。(乳栓)
脂っこい食生活、添い乳、つぶし飲み、ストレスなど様々な原因があります。
炎症があると痛みを伴います。
白斑ができた場合には、患部にオイルを含ませたコットンでパックするか、お風呂の中で乳頭部を優しくマッサージし、詰まりを取り除くといいようです。
あとは、ひたすら赤ちゃんに色んな角度で吸ってもらうのも効果的です。
できやすい体質などもありますが、なるべくはあっさりとした食生活にして、水分もしっかり取り、ストレスをなるべく避けた生活をすることが大切です。



《水泡・血豆》
水泡や血豆も傷と同じような原理で出来てしまいます。
ですので、対処法としても、痛みや炎症がひどい時には少し休ませながらというのも大切です。
また水泡や血豆には紫雲膏という昔からある軟膏も効果的といわれています。


《おすすめ紫雲膏》



乳腺炎の予防法と対処法



母乳育児の中の辛いトラブルとして乳腺炎は多く取り上げられています。
乳腺炎は、母乳がうっ滞して起こるうっ滞性乳腺炎と細菌感染などで起こる化膿性乳腺炎があります。
多くの場合、化膿性乳腺炎の方が症状が重い場合が多いです。
【乳腺炎の症状】
様々な症状がありますが多くは、
痛みのあるしこり(初期=うつ乳期)
発熱(38度以上の高熱になる場合も)
乳房皮膚の発赤
乳房の痛み
強いしこり感
悪寒戦慄
全身倦怠感 などが主な乳腺炎の症状です。



【乳腺炎の予防】
乳腺炎はやり方次第で予防をすることができます。
ですが、母乳分泌が安定しない間は特に起こしやすいので、予防しきれるとは言えませんが、工夫次第でその罹患率を下げる事ができます。

①脂っこい食事は控えめに。
母乳は血液から作られるため、脂っこい食事をすると、その油分で乳管が詰まりやすくなります。
授乳中はなるべく和食中心とすることをオススメします。

②授乳をして赤ちゃんに飲んでもらう。
なるべく赤ちゃんにこまめに飲んでもらうと乳汁のうっ滞を避けられ、乳腺炎の予防になります。

③傷は清潔にし、なるべく早く治す。
小さな傷であれば、馬油やランシノーでケアし、深い傷であれば病院で軟膏をもらいます。
傷がある場合には、おっぱいパットを当てる、こまめに交換するなどして、清潔に保ちます。

④赤ちゃんには色んな角度で飲んでもらう。
同じ角度では、一部の乳腺からばかり母乳を飲む、という事になる場合もありますので、縦抱きにしたり、フットボール抱きにしたりなど授乳姿勢を色々変えてみます。

【乳腺炎になってしまったら】
乳房にしこりができ、痛みが伴う『うつ乳』という乳腺炎になりかけの段階で治してしまうことが重要ですが(赤ちゃんにこまめに飲んでもらうことが一番効果的です)、それ以上の段階へと悪化した場合には、赤ちゃんに飲んでもらうのはもちろんですが、それでも改善しないような場合には母乳を出すマッサージを受けることをオススメします。
その道のプロの方に母乳を出してもらえば、それだけでずいぶんと症状は改善します。(桶谷式が有名です)

炎症部分(発赤し、熱を持っている場所)は冷やすようにします。
他には、乳房をキャベツの葉で覆うようにすると熱が取れると言われています。また摩り下ろした生のジャガイモ1個分に食酢大さじ1杯と小麦粉を適量加えて耳たぶ位の硬さにしたものをラップに包んでおっぱいに当てると奥の方の熱まで取ってくれるといいます。いずれも民間療法ですが、多くの乳腺炎経験者に支持されてきた方法です。

辛くて、とにかく早く治したいような場合は、抗生剤や解熱鎮痛剤を処方してもらうようになります。
出産した病院などに相談してみましょう。

細菌性乳腺炎が悪化した場合、時には手術になることもあります。
乳腺炎は早期に対応し、すみやかに炎症を取り除くことが大切です。



乳首を噛まれないために



赤ちゃんの歯は生後3~9ヶ月の間に最初の歯が生えてきます。
その頃はちょうど母乳育児の真っ只中。
乳首を噛まれたら、当然痛いです。それに傷を作ってはまたお休みしなくてはなりません。
赤ちゃんが乳首を噛むのは主に遊びだと言われています。
そんな赤ちゃんの乳首噛み遊びを少しでも止めさせること、また噛まれないためにできることをまとめました。

①噛まれても声を上げない。
噛まれる度に『痛い!』『キャッ!』などの声をあげていると、赤ちゃんはそれをママが喜んでいる、もしくは面白いと感じてもっとやってみたいという好奇心を刺激するようです。
噛まれても、声を出すのはぐっとこらえて、低い声で冷静に『ダメ。』と言いましょう。



②噛んだら赤ちゃんの鼻をつまむ。
口はおっぱいでふさがれているので、赤ちゃんは鼻呼吸。
そんな鼻をきゅっとつまむと苦しくて口を開きます。無理に引き抜こうとすると傷を作ってしまうので、噛まれたらすぐに赤ちゃんの鼻をつまんで口を開けさせてからおっぱいを抜きます。
赤ちゃんにとっても鼻をつままれるのは楽しいことではありません。
おっぱいを噛むと嫌な事をされる、と認識してくれれば次第におっぱいを噛まなくなっていきます。

③繰り返し噛んだら、授乳終了。
どうやってもおっぱいを繰り返し噛むようでしたら、『噛むならおっぱいはおしまい』と言っておっぱいをしまってしまいます。
これを繰り返し、噛んだらおっぱいがしまわれてしまうと学習させます。


④噛む前に察知しましょう。
赤ちゃんはおっぱいを噛む前に、おっぱいに添えていた自分の舌をひっこめます。
そうしないと自分の舌も噛んでしまいますから。
赤ちゃんが舌を引っ込めたら、同時におっぱいも赤ちゃんの口から引き抜きましょう。
『噛んだらダメだよ』と低い声で言ってから再びおっぱいを与えます。


⑤眠り間際のおっぱい噛みには。
添い乳などで寝かしつけをしているママに多い、眠り間際のおっぱい噛みには、とにかく深く咥えさせることに限ります。
しっかりと咥えさせる事で、噛みにくく、そして万が一噛まれたとしても一番痛い乳首は噛むことができません。

授乳とアルコールについて



お酒大好きなママも妊娠中はぐっと我慢をされてきたかと思います。
赤ちゃんが誕生して、ストレスも溜まると『飲みた~い!』気持ちが強まることも。
たまの気分転換、息抜きにアルコールを・・・と思うママは多いです。

だけど、授乳中。
飲みたい気持ちをぐっと我慢できますか?

授乳中のアルコールについては、体重50Kg程度の方なら缶ビール350ml1本までは許容範囲と言われています。
飲酒から30分経過時点で、血中アルコール濃度がピークに達します。
その後、平均2時間半程度でアルコールは血中から抜けていきます。
ですので、最低でもその間の授乳を避けることをオススメします。
過剰なアルコール摂取は、母乳を通じて赤ちゃんに移行します。
未熟な赤ちゃんの肝臓に負担をかける恐れがあるので、飲みすぎてしまった・・・・という時の授乳は丸1日開けるようにします。
(二日酔いになっている場合は、それが治るまで)
その間はミルクにしましょう。
海外では、母親の多量飲酒後の授乳により、赤ちゃんが急性アルコール中毒となり、死亡しているケースもあります。
大切な赤ちゃんの命です。
ママがリラックスできる程度の飲酒にとどめましょう。



我慢が辛い仲間としてのタバコ。
こちらは百害あって一利なし、とよく言われます。
【ママの喫煙による赤ちゃんへの影響】
乳児突然死症候群(4.7倍)
低身長、低体重
肺炎
喘息
中耳炎
脳腫瘍
白血病
リンパ腫
アレルギー

一般に喫煙後の母乳中のニコチン量はママの血液中のものの3倍となります。
ニコチンは母乳への移行率が高いのです。
吸ってからの3分間の授乳は特にニコチン量が多いので、行ってはいけません。
最低でも2時間半空けると影響が少ないという情報もありますが、医師によっては丸3日空けないとニコチンによる毒の影響を受けるという意見もあります。

母乳育児で育てたいと強く願うのであれば、ここは電子タバコで乗り切ってはいかがでしょうか。
最近の電子タバコは、ニコチンが含まれていなくても、重さを感じ、満足度が高いと好評価のものも多いです。


楽天のレビューで526件中、星4.27(5つ内)とかなりの高評価となっているアレン・カー著のベストセラー。
多くの方がこの本を読むことで、禁煙に成功しています。
タバコを止めたいとお悩みの方はぜひチェックしてみてください。

意識の差で母乳率は変化する



中国の食品汚染により、缶入りミルクにメラミンが含まれ、53000人の赤ちゃんに被害が出たのは2009年の出来事です。
90年代の中国では、共働きが多く、また缶ミルクを与える事が経済力の象徴として好まれ、この時の母乳率はわずか12%程度。
それがこの事件をきっかけに母乳の方が安全という意識が高まり、結果的に89%の母乳育児率へと変化しました。
何がなんでも母乳を飲ませる―。そのような意識によって完全母乳を実施できる方が増える可能性を示しています。
これは、意識の持ち方で、ここまでの変化が可能であるというママ達へのメッセージになったのではないでしょうか。



断乳・卒乳のこと


1歳を過ぎると断乳や、卒乳を意識するママも多くなるのではないでしょうか。断乳というのは、まだおっぱいを欲しがっている赤ちゃんに対して、ママからおっぱいを止めさせるように積極的に働きかけることです。
卒乳というのは、赤ちゃんから自然とおっぱい吸わなくなること。
赤ちゃんはいつまでもおっぱいを吸い続けるわけではありません。いつか必ず母乳育児に終わりを告げる日が来ます。
断乳なのか卒乳なのか。
そのメリットとデメリットを比較し、どういう形を取るのが一番なのかを一緒に考えていきたいと思います。

【WHOは2歳以上まで母乳育児を継続することを勧めています】
断乳について迷っているのであれば、世界標準のガイドラインはどうなっているか確認してみましょう。
WHO(世界保健機関)では、2歳以上まで母乳育児を行うことを推奨しています。
その理由は下記の4つ。

①母乳は補完食(=離乳食)より
も質の高い栄養素を含んでいます。
赤ちゃんを守ってくれる防御因子も与え続けることができます。

③母乳は病気の時の重要なエネルギー源と栄養源になります。
④母乳育児は急性の病気のリスク、そして慢性の病気のリスクを減少させることができます。

以上の事から、WHOでは2歳以上まで授乳を続けることを勧めています。

【断乳をするメリット】
断乳には、次のようなメリットがあると考えられています。

①離乳食をよく食べてくれるようになる。
②夜間熟睡できるようになる。
③母親の授乳に伴う拘束がなくなる。
④乳首等の傷、炎症などを起こさなくなる。
⑤妊娠しやすくなる。

【1歳前後での断乳が良いと言われてきたのは日本だけ】

日本は世界の中でも授乳の切り上げが早いです。
なぜか―。
日本では、母乳に関しての迷信が数多く存在します。
『1歳を過ぎるとおっぱいの栄養がなくなる』
『おっぱいが長いと言葉が遅れる』
『甘えん坊になる』『ワガママになる』などなど。

いずれにも科学的根拠はありません。
現時点では、母乳による授乳期間が長い方が子どもに対するメリットは断乳のそれよりも多いと考えられています。

とはいえ、断乳することで、ママが笑顔になれるのなら、それが子どもにとっても一番のメリットだと言えます。
子どもにとって、大好きなおっぱいを止めなければならないというのは、とても辛いことです。
適応力のある子どもは数日でおっぱいから離れることもできます。
ですが、本当にそれでいいですか?
卒乳なのか、断乳なのか―。
ママと赤ちゃん、双方にとっていい答えがきっとあるはずです。



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